事前通知が届いたらやることチェックリスト
1. 通知内容をメモする(調査日時・担当者名・対象税目・対象期間・連絡先)
2. 税理士に連絡する(翌営業日までに)
3. 対象期間の帳簿・領収書・請求書を集める
4. 帳簿と確定申告書の数字を突き合わせる
5. 税理士と事前打ち合わせを行う(調査3日前までに)
この記事のポイント
・事前通知が届いても、それだけで何かが確定するわけではありません。落ち着いて対応しましょう。
・日程変更を申し出ることは問題ありません。ただし、理由は明確に伝えてください。
・通知から調査日まで1〜2週間が一般的です。この期間にしっかり準備することが結果を左右します。
「税務署から電話がかかってきた。税務調査をしたいと言われた。」
初めて事前通知を受けた方は、大きな不安を感じるはずです。何をすればいいのか、何を準備すればいいのか、わからないことだらけでしょう。
この記事では、元国税調査官の立場から、事前通知を受けてから調査前日までにやるべきことを、ステップごとに解説します。
税務調査の事前通知とは何か
事前通知で伝えられる内容
税務調査を実施する前に、税務署は原則として納税者に事前通知を行います。これは国税通則法第74条の9に定められた手続きです。
通知される項目は、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査の目的、対象となる税目、対象となる期間、調査の対象となる帳簿書類、調査官の氏名と所属などです。
これらの項目を正確に把握することが、適切な準備の第一歩になります。
電話が来るタイミングと誰にかかってくるか
事前通知は電話で行われるのが一般的です。
税理士に確定申告を依頼している場合、税理士に先に連絡が入ることが多いです。税理士がいない場合は、納税者本人に直接電話がかかってきます。
電話がかかってくる時期は、税務調査が多い7月〜12月が中心です。ただし、これ以外の時期にかかってくることもあります。
通知を受けたらまずやるべき3つのこと
通知内容を正確に記録する
電話を受けたら、まず以下の5項目をメモしてください。
【事前通知メモテンプレート】
・調査予定日時:____年__月__日(_)__時〜
・担当調査官の氏名:__________
・所属(税務署名・部門):__________
・対象税目:所得税 ・ 消費税 ・ その他( )
・対象期間:____年〜____年分
・折り返し連絡先:__________
「聞き逃してしまった」と感じても、慌てる必要はありません。折り返しの連絡先を確認し、後から改めて確認することもできます。
税理士に連絡する
通知を受けたら、できるだけ早く税理士に連絡してください。翌営業日までが目安です。
顧問税理士がいる場合はすぐに連絡すれば対応してもらえます。
顧問税理士がいない場合は、税務調査対応に対応できる税理士を探す必要があります。シロクマくんでもスポットでの税務調査対応サービスを提供しています。
税理士への依頼費用については「税務調査の費用はいくらかかる?」で詳しく解説しています。
調査日までのスケジュールを逆算して立てる
通知から調査日まで、通常は1〜2週間です。この期間をどう使うかで、調査の結果が変わります。
以下のタイムラインを目安にしてください。
※ 通知から調査日まで1〜2週間が一般的です
日程変更はできるのか
変更を申し出ること自体は問題ない
事前通知で指定された日程に都合が悪い場合、変更を申し出ることは全く問題ありません。
国税通則法でも、納税者から合理的な理由を付して日時の変更を求められた場合、協議するよう努めるものとされています。
認められやすい理由・認められにくい理由
認められやすい理由としては、仕事でどうしても外せない予定がある、税理士の日程が合わない、体調不良で準備ができない、といったものがあります。
一方、理由を明確に伝えなかったり、大幅に先延ばしにしようとすると、スムーズにいかないことがあります。
1〜2週間程度の変更であれば、通常は問題なく応じてもらえます。
「日程変更すると心証が悪くなる」は本当か
「日程を変更したら、税務署に悪い印象を持たれるのでは?」と心配する方がいます。
結論から言えば、合理的な理由があれば心証には影響しません。調査官も、納税者に予定があることは理解しています。
ただし、理由が不明瞭だったり、何度も変更を繰り返したりすると、印象がよくないのも事実です。変更は1回にとどめ、理由は明確に伝えましょう。
事前に備えていれば、通知が届いても慌てずに対応できます。月額980円で元国税調査官の税理士がつきます。
調査前日までに準備しておくべき書類と確認事項
必ず用意する書類リスト
以下の書類を、対象期間分すべて揃えておいてください。
・確定申告書の控え(所得税・消費税)
・青色申告決算書または収支内訳書の控え
・総勘定元帳・仕訳帳
・売上に関する書類(請求書・契約書・入金記録)
・経費に関する書類(領収書・レシート・クレジットカード明細)
・預金通帳またはネットバンキングの取引履歴
・給与関係の書類(従業員がいる場合)
書類は年度ごとに分けて整理しておくと、当日の対応がスムーズになります。
帳簿と申告書の突き合わせチェック
調査官が必ず確認するのは、帳簿の数字と申告書の数字が一致しているかどうかです。
事前に自分でも確認しておきましょう。売上の合計、経費の合計、各科目の金額が申告書の数字と一致していれば問題ありません。
もし不一致がある場合は、その原因を把握しておいてください。税理士がいれば、事前打ち合わせで確認してもらえます。
税理士との事前打ち合わせで確認すべきこと
税理士と事前に打ち合わせを行う際、以下の点を確認しておきましょう。
・調査当日の流れと所要時間の見込み
・調査官に聞かれそうな質問と回答方針
・帳簿や申告書で気になる点の有無
・当日の受け答えで気をつけること
調査の全体的な流れについては「税務調査の流れを元国税調査官が解説」で詳しく解説しています。
事前通知なしで調査官が来るケースはあるのか
無予告調査が行われる条件
原則として、税務調査には事前通知が行われます。しかし、例外的に事前通知なしで調査官が訪問するケースがあります。
無予告調査が行われるのは、主に以下のような場合です。
・現金商売で、事前に通知すると正確な実態が把握できないと判断された場合
・何らかの証拠をすでにつかんでおり、事前通知すると隠蔽される恐れがある場合
・悪質性が高いと判断されている場合
個人事業主に対して無予告調査が行われるケースは、それほど多くありません。
無予告で来られた場合の対応
もし事前通知なしで調査官が来た場合でも、その場で対応する義務はありません。
調査官の身分証と調査の趣旨を確認した上で、「税理士に連絡してから対応します」と伝えて問題ありません。
税務調査を拒否すること自体のリスクについては「税務調査は拒否できる?」で解説しています。
また、調査官が何人で来るかによって調査の規模感がわかります。詳しくは「税務調査の調査官は何人で来る?」をご覧ください。
まとめ
税務調査の事前通知が届いたら、まずは落ち着いて通知内容を記録することが第一歩です。
そこから税理士への連絡、書類の準備、事前打ち合わせと進めていけば、調査当日を冷静に迎えることができます。
ただし、通知から調査日まで1〜2週間しかないケースがほとんどです。この短期間で税理士を探し、準備を整えるのは、想像以上に大変です。
税務調査は来てから慌てるものではなく、日頃から備えておくものです。シロクマくん税務調査あんしんメンバーシップなら、月額980円から元国税調査官の税理士による備えを持つことができます。通知が届いたとき、すぐに相談できる専門家がいる安心感は、何ものにも代えがたいものです。